いきなりですが、たとえば「あなたに適した資産構成割合(ポートフォリオ)は、日本債券25%、日本株式25%、外国債券25%、外国株式25%です。」と、言われたら、きっと以下のよう疑問が湧くでしょう。
- 本当に自分に合っているの?
- 将来はどうなるの?
- これまでの運用成績はどうだったの?
- これよりも少しだけ期待利率の高い(低い)配分はどうなるの?
- 同じ資産(アセットクラス)で複数の商品があった場合、どうやって比較するの?
- 資産構成割合(ポートフォリオ)からの将来予測
- 過去の実績(価格変動・運用成績)の確認
- 期待利率の異なる資産構成割合(ポートフォリオ)の提示
- 投資信託商品の比較(過去の実績より)
- 運用商品預替の売買割合の指示
1.資産構成割合(ポートフォリオ)から将来予測
商品の選択
確定拠出年金では、投資信託商品を選ぶ必要があります。 以下は選択できる商品の例です。
- 投資信託の商品を資産ごとに、25%ずつ入力します。
- 日本株式の商品が4つありますので、ここでは実績利率の高い、F社を選択します。(とりあえず)
- 投資信託の商品は、信託報酬と、過去の実績利率、標準偏差が表示されています。
(実績利率を算出するための、期間については後述します) - アクティブの商品は「A」と表示されます。
期待利率と標準偏差が分かります。
各資産の、期待利率と標準偏差から、資産構成割合(ポートフォリオ)の予定利率と 標準偏差が計算されます。- 資産構成割合(ポートフォリオ)の予定利率と標準偏差が計算され、グラフに□で表示されます。
- 各商品の期待利率と標準偏差がグラフに●で表示されます。
- 茶色の曲線は、線より上になる組合わせがないことを意味します。有効フロンティアと呼ばれることもあります。
- 計算のもととなる期待利率、標準偏差、相関係数は、GPIFが平成26年に資産構成配分を策定する際に使った数値を使用しています。
将来を予測するために、現在の年齢、現在の資産、毎月の拠出金額を入力します。
- 現在資産と、毎月購入する商品の割合は、同一として計算しています。
拠出金額が固定ではなく、基本給に比例して上がっていきますが・・・・?
- 拠出金額は、年齢毎に設定ができます。
将来予測を表示します
- 期待利率4.00%で運用したら、35歳から60歳までの25年間で拠出金が400万(縦棒グラフ)、資産残高は運用益を合わせて777万になります。
- 777万を目指しているだけで、実際はその通りにはなりません。777万を目指しているだけです。
- 青線の上下にブレます。ブレの度合いを表したものが標準偏差です。予定標準偏差は11.38%です。
- 価格のブレ幅のことを言います。リスクということもあります。数値が高いほうがブレ幅は大きいです。
標準偏差を加えたグラフ
- 以下、標準偏差のことをσ(シグマ)と表記します。
- 4本の線が追加されました。上から2σ、1σ、0σ、-1σ、-2σです。
- -1σから+1σの間に入る確率は68%となります。
- -2σから+2σの間に入る確率は95%となります。
- 60歳時点で―2σが拠出金額を上回っています。上にはみ出す可能性もあるので、拠出金額より低くなる確率は(100%-95%)/2=2.5%以下と判断できます。
期間を変えての表示
- 期間を10年にして表示しました。
- 拠出金を下回る可能性は期間を短くすると高くなります。
2.個別商品、資産構成割合(ポートフォリオ)の過去の実績(価格の変動)
投資信託商品を検討する際、過去の実績も気になるところでしょう。運用管理機関では、個別商品の過去の実績をインターネットや書類で公開しています。しかし、商品ごとにページが違っているので、比較しにくいと感じた人は少なくないでしょう。同一グラフでの商品比較
- 2002年4月から2014年12月までのデータです。
- 黒い太線が、資産構成割合(ポートフォリオ)の資産残高の推移です。
- 開始月と終了月を設定できます。
- 前に、実績利率、標準偏差が出てきましたが、この期間の数値です。期間によって実績利率、標準偏差は変化します。
盆例をクリックすると、線を強調できます。
- 盆例の、線や●をクリックすることによって、実線、太線、線無し、を切り替えることができます。
将来予測と、過去の実績の関係
- 商品データを非表示にして、資産構成割合(ポートフォリオ)と拠出額を太線にして表示してみました。
- -2σから下に外れることはないし、元本を大きく割ることもないから、一見よさそうに見えます。
期間を変えて表示しました(運用の悪い例)
- 期間を2007年7月から2012年12月にしてみました。
- リーマンショックの直前から政権交代までの期間です。
- -2σを下回ることもあるし、元本を下回るのが5年も続いてしまうこともあります。
3.期待利率の異なる、資産構成割合(ポートフォリオ)の提示。
こまでは、日本債券25%、日本株式25%、外国債券25%、外国株式25%と仮定して説明を進めてきました。この資産構成割合(ポートフォリオ)が自分に合わないとしたら、数値を入力しなおせば再計算できます。たとえば株の割合を低くする。日本債券30%、日本株式20%、外国債券30%、外国株式20%とか。 本ソフトでは、期待利率と標準偏差の異なるいくつかの資産構成割合(ポートフォリオ)を提供しています。別の資産構成割合(ポートフォリオ)を表示します。
これまでの資産構成割合(ポートフォリオ)を、後から比較するためにひとまずおきます。- 右側の下向き矢印をクリックしてください。
- 「4.0」のボタンのクリックしてください。
- 本アプリが提案する、資産構成割合(ポートフォリオ)です。
- 日本債券46%、日本株式19%、外国株式35%と表示されています。
- 将来予測、実績グラフも変更されているのでご確認ください。
- さらに別の資産構成割合(ポートフォリオ)を表示したい場合、「3.5」、「3.0」などのボタンをクリックしてください。
- 小刻みに変更したい場合は、「+」、「-」ボタンをクリックしてください。 (数値ボタンをクリックした後に出てきます。下向き矢印↓をクリックすると使えなくなります)
- 60種類の資産構成割合(ポートフォリオ)を提示できます。
その通りです。
後から出てくるって言ってたけど、日本株式はF社のままでいいの?
4.同じ資産(アセットクラス)の商品比較(過去の実績より)
個別商品の運用実績は、小冊子やインターネット上で、運営管理機関が報告しています。しかしながら、商品ごとにページが分かれていたり、グラフが小さ過ぎて、比較検討するには使いにくいかと思います。同一グラフ内で比較できるようにしました。比較したい商品のグラフだけを表示します。
- 株式だけで比較しやすいように、株式の線と●だけを表示します。
- 参考のため、ベンチマークのTOPIXも表示させます。
折れ線グラフで比較できます
- 2002年4月から2014年12月までのデータを使用しています。
- 実績データは、信託報酬を差し引いています。
- 一番上、利率が4%を超えているのがF社です。
- 色で、判別しにくければ、マーカーの大きさを変更してください。
開始月、終了月の設定が可能
- 過去5年だと、E社の実績が高くなります。
- 期間を変更して、好みの商品をお探しください。
5.運用商品預替の売買割合を自動で計算できます。
ここまでで、新たな運用商品の割合が決まりました。確定拠出年金では、2つの割合を変更する必要があります。ひとつは、毎月積み立てる拠出金で購入する商品の割合。もう一つは、これまで積立ててきて貯まっている商品の割合。前者は簡単に変更することができますが、後者はどうでしょう
下の例をご覧ください。Aの割合をBの割合に変更してください。という指図はできません。
外国債券を全部売って、売ったお金の一部で日本国債を買う。残ったお金で外国株を買う。
日本株の一部を売って外国株を買う。実際は「一部」ではなく○○%と割合を指図します。
自分で計算することなく、売買の割合が簡単に表示できます。