商品比較 外国株式

確定拠出年金の、同じ資産クラスの商品の中から、1つを選ぶ。このような時、皆さんはどのようにしているだろう。もしくは、企業の担当者として商品を増やしたり減らしたりするのは、厄介な仕事ではないだろうか。今回は、投資信託商品をDCSIMを使って、グラフから簡単に評価できる方法をお伝えする。

今回データとして使うのは、三井住友DC外国株式インデックスファンドL(以降A)、USB海外株式ファンド(以降B)、大和住銀DC外国株式ファンド(以降C)。確定拠出年金を実際に導入している東京に本社のあるN社の商品だ。それぞれの商品の説明を読むと、Aはインデックス。BとCはアクティブ。なので信託報酬は当然異なり、Aは0.27%、Bは1.94%、Cは1.97%となる(いずれも消費税込み)。ベンチマークはいずれも、MSCIコクサイインデックス。商品説明と基準価額は、各社ネット上で提供している。

まず、2004年1月を100として、基準価額を重ねてみた。太い線がA、細い線で色の薄いのがB,色の濃いのがC。ちょっと分かりにくいけど、ご容赦ください。DCSIMでは、資産ごとに同色系を使っているためです。AとCはBに比べて良さそう。

しかしながら、運用成績は計測する期間によって、運用成績はことなる。グラフを多数並べるより、わかりやすいかと思って、動かしてみた。最終は2016年1月固定で、開始を2004年1月から1年ごとに後ろへずらしていった。

基準価額の推移を重ねてみても、分かりにくいので、横軸をリスク(標準偏差)、縦軸を利率で表現してみた。こっちのほうが、特にリスク(標準偏差)を比較しやすいと思う。

同じように、期間を変更して、グラフを動画風にしてみた。Aは、リスクが全般に及んで低くてよろしい。CはたまにAを利率で抜くことがあるので、そこそこかな。Bは・・選択しないほうがいいよね。みたいな評価になるのではないだろうか。

DCSIMでは、商品の過去の実績を簡単に比較できるよう、計測期間を月ごとに変更でき、動画風に見ることも可能である。サンプルソフトを貸出できるので、ご希望の方はご連絡ください。

商品比較 がんばれ新商品

DCSIMでは、最初に運用商品の過去の実績を企業ごとに、すべて取り込んでいる。月末の基準価格である。折れ線グラフで表示することは可能だが、商品比較には向かないので、リスクリターン(横軸:標準偏差、縦軸:実績利回)のグラフにそれぞれの商品の実績をプロットしてみた。今回使用した商品データは、東京都内に本社のあるN社の実際のデータである。グラフの期間が2013年3月以降になっているが、最近追加した新商品のデータがそこからしかなく、比較するためにこの期間を選んだ。

まず、左下のグラフをごらんいただきたい。ローリスクローリターンから、ハイリスクハイリターンまで、比較的きれいにプロットされている。おおまかに言って、グラフの左下が債券やバランス型、右上が日本株や外国株となっている。今回はグラフの左下に注目してもらいたい。

次に、右下のグラフでは、グループを2つにわかてみた。同じような標準偏差(横軸)なのに、リターンが高いグループと、低いグループがある。上はバランス型(4つのうち上から2番目は外国債券)、下の3つ(紫色)は新商品。・・・・がんばれ新商品。

バランス型と新商品は、運用方針も異なる。バランス型は、資産配分をあらかじめ決めておいて、それぞれの資産はベンチマークを目指している。新商品は、経済環境を見ながら資産配分を変えてリスク(標準偏差)を一定以下に抑える。目論見書をみるとそのようなことが書いてある。簡単に言うと、前者はほったらかし、後者は一手間、二手間余計に手間をかけている。どっちが良いかはあくまでも選択する人の好みである。

運用商品を、一定期間だけで評価するのは、不公平である。たまたま、その期間にがんばれなかっただけかもしれない。ということで、下の図で評価期間を変えてみた。結果はご覧の通り。やっぱり・・・がんばれ新商品。

ちなみに、DCSIMでは、評価の開始月、終了月を変更するのは、ボタンをクリックするだけで、簡単にできる。クリックしてから表示まで1.3秒くらいだ。(ひと月前のボタンを連続10回クリックしたら、13秒で表示した)

「どうして、わざわざ手間をかけて、新商品追加してしまったんでしょうね。」とは、私の感想だが、どうも商品比較をする簡単なツールを運営管理機関は用意していないらしい。のデータはファイルで供給してくれるけど。(←それはそれで、とってもありがたい。ご協力ありがとうございます) 運営管理機関も、現状をしっかりと把握できていないのではないだろうか。

DCSIMは、確定拠出年金加入者が、商品選択をする際の便利なツールとして開発販売しているが、「確定拠出年金の企業担当者が、商品を増やしたり減らしたりする際の有効なツールとして使えますよ」 とは、N社担当者のお言葉でした。とてもうれしかったです。