外国株100%ではリスク(標準偏差)が高くて、将来元本を割る確率が高い。だから、分散投資をおすすめします・・・。それってほんと? 将来って何年後のこと? ということで、これまでの常識を疑ってみた。
外国株式100%と、日本債券、外国債券、日本株式、外国株式を25%ずつ(以降資産分散25%と呼ぶ)で比較してみた。
まずは、同じ期間の基準値の変動で比較してみよう。
期間は前回のブログで使った1998年1月から2012年12月までの15年間
1985年から現在まで、15年間を1年ずつずらしていって、その中で一番運用実績が悪かった期間だ。
外国株式100%
期待リターン5.2%、標準偏差18.6%
実績リターン1.91%、標準偏差19.21%
資産分散25%
期待リターン3.2%、標準偏差9.62%
実績リターン1.64%、標準偏差9.09%
グラフを見てすぐにわかるのは、資産分散25%のほうが、価格変動が明らかに少ない。標準偏差の数値からからでも分かる。同じリターンなら、標準偏差が低いに越したことはない。
さて、将来に元本を割る確率をみてみよう。
外国株式100% 10年後12.31%、15年後5.05%、20年後1.39%
資産分散25% 10年後10.54%、15年後4.74%、20年後1.76%
上記計算結果を見て、どのように感じただろう・・。筆者は、あまり変わらないじゃないかと感じた。それに20年後には外国株式100%の方が元本を割る可能性が低いのはちょとお驚きだった。
基準価格の変動は、資産分散25%が小さいし、元本割る確率は同じくらいなら、資産分散したほうがいい・・かな。と思う人いるかもしれないが、ちょっとまって。次に行って見よう。
次に示すグラフは、過去の基準価格をもとに、5年、10年、15年、20年、25年と長期運用した場合の運用成績を見やすくしたものだ。左が外国株式100%、右が資産分散25%だ。じっくり見てほしい。似た棒グラフの形だが、何かが大きく違う。尚、棒グラフはマイナスを分かりやすく表示するため、元本の100万を引いてある。
お分かりになっただろうか。そう、グラフのスケールが違う。運用実績が全然違う。
以上から、15年以上の長期投資をするのであれば、やはり、外国株式100%をおすすめしたい。
さて、ハイリスク商品の代表である外国株式100%は、資産分散にくらべて、将来元本を割る確率が高い・・ということに疑問を呈したわけだが、長期運用の場合そうではない場合があるということだ。
ハイリスク(価格変動の標準偏差)商品は、元本を割る確率が高いとは限らない。