「リスク(標準偏差)」と「元本割れ確率」グラフを使ってイメージでとらえる。

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前回は、外国株式投資信託100% 期待リターン5.2%、標準偏差18.6%として、計算上「長期運用 リスクは増え続け、元本割れ確率は下がり続ける。」ということを述べた。さらに違うグラフを使って説明する。感覚、イメージとしてとらえてもらいたい。

 

左側のグラフを、別の方法で表現したのが、右のグラフだ。正規分布の確率密度関数を使って作った。横軸が金額で、縦軸が出現する確率だ。重要なのは、面積で確率をとらえるということだ。曲線の下の面積を100%として横軸の100より左の塗りつぶした部分の面積の割合が元本の100を割る確率となる。このグラフだと38.7%だ。

 

次に2年後のグラフを見ていただきたい。見て分かるのは、以下の通りだ。

  • グラフの山の山頂が右に移動する。すなわち(平均)リターンが大きくなる
  • 山のすそ野が大きくなる。ばらつきが大きくなる=リスクが高くなる
  • 塗りつぶした部分の(面積の)割合が減る。元本を割る確率が減る

この3つが同時に発生する。山頂が低くなるが、すそ野が広がることの2次的効果ととらえてもらいたい。

次は、30年分のグラフを一度に見てもらいたい。

 

5年~30年まで、5年毎に右のグラフを描いてみた。
リターンが増えて(山頂が右に動いて)、リスクが増えて(すそ野が広がって)、さらに元本を割る確率はどんどん減っていくのである。グラフの塗りつぶしは省略したが、とても小さくなる。グラフの左端は-3σから描画しているが30年後では元本の100にも届かない。
(ちなみに、±3σに入る確率は約99.7%。-3σ以下になるのは0.15%以下)
もう一度、元本を割る確率のグラフを登場させる。

長期運用は、リスクは増え続け、元本割れ確率は下がり続ける。
30年間1年複利で5.2%で運用できたとすると、元本100万が400万を超える。長期間リスクの高い(基準価格の変動の大きい)ことを気にしないのであれば、ハイリスク・ハイリターンの商品を、選んでほうが賢明だ。

 

 

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